拘束ホリディ第一回

今年2度目の病院。先週、CTの結果を受け、肺に転移したガンをやつけるために選出されたのは、基本的治療のタキサン系である。髪を犠牲に終わったのがちょうど1年前。再び、その治療を受けることになろうとは1年前はこれっぽっちも思ってなかった。ハーセプチンとの好相性で転移した全身治療の基本だが、今ひとつ信用ならない。まあ、そんなことを言っていると治療法がすぐ無くなってしまうのでやるだけはやってみようと。副作用はおそらく前回出たものとかわらないはず・・・ハゲになって末端神経がちょっとやられる程度。足先が痺れて、歯茎から血が出て肝機能がちょっと弱まる。格別、具合が悪くなるものではないから仕事も続けられるし私には楽な治療だつた。問題は点滴の時間が長いことだ。ハーセプチン90分+タキソール3時間+デカドロンやらサンタック、生食をいれて点滴時間だけで約5時間もかかるのだ。準備などいれると5時間半。その前に血液検査と診察があるから本当に一日がかりになる。貴重な休みが必ず病院行きというのも、普通なら疲れてつらい仕事化しそうなものだが、今までは病院が一段落したら新しいショップの探索や大好きな雑貨屋めぐり、映画を見たり、エステに行ったりと休みを有効に使い、日常と違う場所に出かけていたことがストレスレスに繋がっていたのだと思う。しかし、これからは本当に休みの日も仕事だ。いや、仕事以上に体を拘束されてしんどい。今朝は朝8時30分に家を出発。下道を走ったので1時間かかった。すぐ、採血に呼ばれて終わったのが10時ちょっと前。点滴ラインをとったら外に出るのは許されないことだが診察に呼ばれるまでの1時間を有効に使うために黙って外に出た。郵便局に行った後、旅行会社に北海道のパンフを貰いに行く。SALEが一段落したら犬ぞりのできるツアーに参加したいねとちばーにょと約束していたのだ。そろそろ、決めないと!! 30分なんてあっという間だった。お昼の弁当などを買って戻りたかったが時間がなく諦めて猛ダッシュで待合室に戻るとちょうど中に入るよう、電光掲示板に呼ばれた。今年から電子カルテが導入されなかなか慣れない作業にナースもドクターも手間取られているのがわかる。来週の予約オーダーがなかなか出来ないので無駄に待たされたりする。患者もイラつくがドクターはもっと大変だろうなあ。みなさん、早く慣れてください。院内のコンビニでいつものようにお昼を買って点滴ルームに入ると11時。ここでまた、私のカルテが思うようにならないらしく、お手上げ状態にPCメーカーのバックアップ技術者がやってきた。もう、本当に大変だ。ただでさえ、忙しいのにまた仕事が増えたような感じ。しかも相手は機械なので頭にきてもひとり相撲である。私もしょっちゅう、PC相手に悪態をついている。悪態ばかりでかわいがらないから、またすぐ壊れるんだろうか?
点滴中は本を読んだり隣のリクライニングで同じように点滴を受けるおばさんと喋ったり、お昼を食べて、またお喋りしたり。去年まではそのタイミングでお終いになって「早く終わっていいねぇ。」と羨ましがられながら「お先に〜」と病院を出たものだけと゛、さすがに今回はそうはいかない。やっぱり、長い・・・その後は隣のおばさんと喋り疲れて1時間も寝てしまった。そういえば去年、会えば必ず食べ物の話に花を咲かせあった、おばさんがいない。12月の私の治療日がズレてたから1月に治療日を戻したら会えるものと思っていた。なんとなく、再会を楽しみにしていたのだけれど。聞けば、もう全クール消化したということ。なんだ、ちょっと寂しい。いや、この場合はコングラチュレーション!!と言わなくちゃ。もう、この部屋には来ないでね。私はたぶん、死ぬまで治療を続けるからこの点滴ルームではきっと古参になるのだろう。皮肉なことだけど、こうなったらなるべく永く治療を受けたいものだ。点滴終了と同時にちばーにょから電話。携帯をみると5時だった。当然、病院の外に出ても真っ暗でちょっと気持ちダークになってしまった。今日は帰りには滅多に使わない高速を使う。下道だと通勤ラッシュで渋滞に巻き込まれるからだ。この休みの過ごし方がずーーーーーっと続くと思うとゾッとしてきた。ちばーにょの勧めるように、たまには羽を伸ばして隔週でお休みとらなくちゃ参ってしまうかもしれないな。病院で充分、体は休まるのだけど(横になってるから)仕事場の店と病院で人生を終わるのだけは勘弁してほっすい〜!!!