ミートザとらこ先生

延長戦は10時半にスタートした。ほとんど仕入れる商品は確定してて後は入荷タイミングや全体の構成バランスをみながらも計算をいれ調整という仕事。1ヶ月スパンで仕入れる予算もあってこの調整がなかなか大変でこれを誤ると支払いなどに支障をきたすこともあり、慎重にならざるをえない。悩みの一番の種はよい商品や売れると見込んだ商品がある月に集中していて明らかに月予算をオーバーした時だ。こんな時は自分の勘で勝負するしかない。前年の天候などのデータで素材感も再度、考慮しつつ、より細かに、しかし大胆な仕入れテクを求められる。あらかじめ、独自のマップ(データを踏まえた予算など計画を記したもの)を元にしているが、最後は勘に頼るのが鮮度を求められるファッションマーケットにふさわしいともいえる。これが本日は昼頃に終わる。営業君のチェックが済むと自由の身だ。お疲れさまで〜す!! ようやく2日に渡った仕事が終わった。やれやれなのだ。その後は下階のプーマストアに必ず寄ることにしている。あれこれ買い物する時もあれば何も望むものがないときもあるが今日はなんとなく以前から見てた、スニーカーを買ってしまう。あとプーママークの入った以前から欲しかった、ボーイズタイプのショーツを買った。
その後、予約をいれていた、ホメオパシージャパンに向かう。千代田線でひと駅と原宿からのアクセスは素晴らしくよかったけど降りてからはちんぷんかんぷん。12分程度で着くはずが20分近くかかってしまった。いつもならたいした距離ではないが仕事で疲れていた体にこれは結構、正直きつかった。ホメオパシージャパンの代表でもある、とらこ先生の予約はなかなかとれないらしいがガン患者である私は特別に割り込ませていただいた。ネット会員の申し込みをした時点で同時にとらこ先生による、健康相談会にも申し込んだ。時間があまりないこと、東京に出る日程を書き入れたことが決め手になったのだろう。いつも相談している、Fセンセイからとらこ先生へお願いの一言もきっかけになったに違いない。とにかく、ここのところ、ガンという病気とホメオパシーの関係について公演をしていることからもわかるけれど、ここ最近のとらこ先生のテーマに一番近い、患者なのである。私は。
いろんなタイミングが重なり、驚く程素早く予約がとれたことにより何か私はホメオパシーについては運命的な出会いを、多大な効果を期待せずはいられなくなってしまった。そして、日本のホオパシーの第一人者から直接、指導を受けれるというチャンスに恵まれたことが宝くじにでも当たったかの如く幸運なことと思えた。何かが変わらずにはいられないはずだ。何かというのは私の体に潜んでいる、ガンという奴だ。願わくばこれ以上、症状が進まないことだ。1年でも2年でも少しでも長くこの世にとどまっていたい。それは肉体が悲鳴をあげることなくという条件もつけ加えて。心の底までも眺めて本来の体のバランスを取り戻す医学、ホメオパシーに興味を持つようになったのはほんの4ヶ月前。まだまだ勉強不足なのだけれど、とらこ先生にまず会うことから絶対に何かが変ると信じている。
1時間半ばかりの相談会は仕事の1時間半とは大違いであっという間に過ぎ去っていった。少しでも私という人間を、先生に見せたくて、情報を伝え忘れることがないようにたくさんの話をしたように思う。内容はかいつまんだ自分史みたいな感じだ。相談会の間はずっと頭と両足に何か情報を知るための機器を繋がれている。どうやらそれはクォンタム・ゼイロイドという名の潜在意識をインターフェイスする世界に類をみない波動機器であるらしい。その機器を使って心、感情、精神、遺伝子、臓器、病原体、等々、被験者がどのような生理的反応を示すかを電気的反応パターンによって測定するらしい。淡々と質問を投げかけるとらこ先生とあるがままの自分を見せようとする自分の間にその機器はあったのだが、自分でも訳がわからず涙が出てきた。それは自分の親の死の部分を語っているときだった。先生はそれが今の病気に至った自分のルーツであるということを告げた。口調はとてもサバサバした調子。思い切り泣くことなく悲しみを闇に葬ったのだと自分からではなく第三者によって明かされるのはこれが初めてで不思議と心が溶けていくような優しさを先生から感じ取ってまた、泣いた。先生のそんな、ひと言で親の死から学んだことは人に頼らず肩肘張って生きることだったのかと自分で初めて気づいた。そうすると自分が可哀想に思えてまた、涙が次々と溢れ出した。わかったことは私が赤ちゃんの時に股関節脱臼したことから産まれたときからそれがカルマであったこと、今必要なのは人によって癒されること。体の中の声に耳を傾けて頑張らないということだ。まだまだ頑張り足りないと思っていたけど意外にも頑張りすぎていたんだな、自分。きっと、どこで線引きするのかわからずに人生を突っ走ってきたのだ。母親と似ているなと思う。さて、先生のバックにはアシスタントでお弟子さんであろう、女性がふたりいる。やりとりをずっとノートにメモしているようだった。でも気になるのは彼女達ではなく、PCに映し出されているはずの私の電気的反応パターンだ。なにしろ、これで私の前世までも解明されるということだから。もっとも、それを知ったのは家に帰って地元のFセンセイに報告してからだったけれど。次回の予約は12月上旬だ。それも特別に調整し予約を優先的にいれてもらえた。ガン患者はここではVIP扱いで気分がいい(変な優越感だ)。とにかく、明日から処方された特別レメディーをしっかり摂って様子を見ることになった。抗がん剤と平行するが体はどんな変化があるのか。
次の予約日までに何かしら結果がでるはずだ。
そうそう、次の相談会では私の前世は何なのか聞いてみよう。でも虫とかだったらどうしょう。。。