仕事で東京出張

年に2度の某メーカーの展示会で上京する。通常、服飾メーカーの展示会は年4回程度なのだがTCはパリコレが終わった2〜3週後にお披露目するスタイルで年に2度しかない。
年に2度ということは今回の仕入れは春夏の2シーズン分ということだ。
お客さんは大好きなブランドの服を誰よりも早くすべて見れるなんて羨ましい、幸せでしょうとかわいいことを言ってくれるがそんな呑気な場ではないと言っておこう。どちらかというと私には地獄なのだ。できることなら誰か代わりに仕入れに行ってくれ!と真剣に思う程、苦痛になのだ。人も多いし、目も頭も疲れきって毎回、抜け殻のようになって帰ってくる。どうシンドイか一言でいうと楽しいお買い物ではなく、ビジネスの場だからだ。
確かに最初の数分は可愛くて綺麗な洋服や小物を見て心も躍る。だけどどんどん、辛くなつてくる。なにせ、今シーズンの売れ筋を見極めつつ、自店に合った商品をどの時期にどれだけ投入するか絶えず考えながら仕入ることが必要なのだ。あれが好き、これがかわいい〜!と安易に仕入れていてはとんでもないことになる。TCの場合は特にあっという間に予算オーバーになってしまう。さらに、ここ数年は歳のせいもあって長時間、広い会場を行ったりきたり立ちっぱなしでいることが何より辛い。今日なんて朝から前日のサンバのア・ゴーゴー・ステップの練習せいだと思うが腰が痛くてたまらない・・・とほほだよ、本当。サンプルに集中しているので時間はあっ!という間に4時5時になるのだが一向に仕事が進まないため、ランチもとれないでいた。(いつも一段落してランチに行くのは夕方だ)しかし、腹が減りすぎて脳に力がはいらない感じだったので中座して外に出ることにした。10時半に会場入りしてお茶を一杯飲んだだけだからね、もう血液もドロドロにピークだと思うし(苦笑)。
エレベーターを下りて外に出るともう原宿の街の景色は夕暮れになっていた。会場から1分ほどのカフェに入る。確か、前もここに入ったっけ。疲れて歩きたくないのと展示会場に早く戻らなければいけないから最寄の場所に限る。店を選ぶ気力も残されていないという見方もありかな。いくつかあるランチセットにフリードリンクがついてて800円〜だからお手ごろということもある。さっさと食事を終えて、また会場に戻る。他店のバイヤーが少しは減ってきたかなという時間。サンプルを見終わりチェックいれをしたマップで確認しつつ、計算に入っているお店さんのスタッフが多くなる時間。どのお店も大抵は2.3人のスタッフでやってくるのでひとりの私より仕事が速い。うちのようなほそぼそとした専門店は売るのも仕入れるのもひとり、自分だけなのだ。だからバイイングが悪いから売れないなどと影口も叩かずに済むが、売れるも売れないも自分の責任ということになる。
まして、後何年、仕事できるかわからないのであまり思い切った仕入れの仕方はしたくないと思っているのに営業の掲げる目標数字があってそれをクリアーしないとメーカーから切られるという厳しいハードルもある。なんとかぎりぎりセーフの数字であげたいから自然、目は充血し頭はかつてないほどの集中力でパアになるのだ。
どんなに頑張って納得のいく内容で会場を後にしたいと思ってもいつかは時間との戦いになつてしまう。担当君にそろそろタイムアウトですと告げられる。会場のクローズ時間は7時30分なのだ。かくして、目標の9時間で仕事は終わらず、明日の延長戦となってしまった。
外に出るとタイミングよく、本日泊めてもらうM○から携帯が入り、とりあえず、酒とご飯でしょと彼女のアパートのある学芸大に移動。駅で待ち合わせして最寄の駅近くの居酒屋さんに入る。ここは美味しくて安かった。東京では合席を求められることも少なくないのだがこの店は2人でも小上がりの座敷に通されて落ち着くかんじ。4人でいっぱいになる座敷で足は掘りごたつ式なので楽ちんだし。メニューも多く、お酒のラインナップも申し分ない。
場所も値段もお手ごろだったので大満足。酔っ払ってM○の家に着いたの11時過ぎだったかな。いつも、宿代わりに使わせてもらうのでご飯代は私が奢る。年に4度くらいかな、泊まるのは。もう、常連?なので私用の歯ブラシも用意してあるし、なんと彼氏でもあるまいし合鍵も持っている。M○の帰りが遅かったり朝、彼女より遅く家を出るときに都合がいいからだ。夏ぶりなのでそんな積もる話もないのだが酒が入るといつもたくさん話をして布団に入るのが遅くなる。この日の就寝は2時ちょっと前でした。いつも付き合ってくれて有難う、お疲れさまでした。